2013年11月5日火曜日

金閣寺近くの地蔵だまり

先日、北野白梅町から金閣寺方面へ歩いていた際に見つけたお地蔵さんの群れ。愛猫家は野良猫たちのたまり場を、猫だまりといいますが、無秩序にごっちゃりならんだお地蔵さんたちは、まさに地蔵だまりと表現するのが適当だと思えます。後光の配色こそ統一されていますが、それ以外顔の描き方、表情、ポーズ、大きさなどはまちまちで、個性豊かですね。こういう地蔵だまりを眺めていると、今日この道を歩いていた偶然に感謝せずにはいられませんでした。この地蔵だまりは、金閣寺手前の金獲八幡宮(きんかくはちまんぐう)別名小北山八幡宮(おぎたやまはちまんぐう)にありました。






2013年11月4日月曜日

白塗りで変なポーズのお地蔵さん

友人の地蔵ガールMさんから送ってもらった写真を紹介します。城崎温泉の地蔵湯という温泉にあったそうです。夜はライトアップされて、お顔の白さがさらに不気味に際立って見えるとのこと。こういう顔が白いお地蔵さんはよく見ますが、体の作りが写実的というか、動きがあるポーズをしているせいで、余計に気味悪く見えますね。夜になるとライトがつくお地蔵さんはときどき見かけます。町の人々を守るというお地蔵さん本来の役割に則って、そうなっているのかもしれません。でも真っ暗闇で顔が白いお地蔵さんだけが見えたら、それはとても怖い感じがしますね。

2013年9月13日金曜日

動物のようなお地蔵さん

先回はおばちゃん顔のお地蔵さんを紹介しましたが、今日紹介するのは、人間というより動物のような顔のお地蔵さんです。自宅から歩いてすぐのところにある新しいマンション、エントランスの前にきれいな地蔵堂があります。地蔵堂には、大きなお地蔵さん2体と、小さなお地蔵さんが数体おさめられています。大きなお地蔵さん二体は、石の形をそのままに活かした造形で、ふつうの丸い頭に丸いお顔のお地蔵さんとは少し様子が違っています。とくに背が低いほうのお地蔵さんは、頭にこぶが二つくっついていて、猫やたぬき、あるいはかわうそのようにも見えます。
動物のように耳があるお地蔵さん


ゴツゴツした石の形がそのまま活かされています

ちいさなお地蔵さんたち。前掛けの柄がかわいいです。

マンションと同様、真新しくりっぱな地蔵堂です

2013年9月4日水曜日

おばちゃん顔のお地蔵さん

このブログでこれまで紹介してきたお地蔵さんは、どちらかといえば少年のような顔をしていることが多かったと思いますが、ときどき女性的な、おばさんやおばあちゃん顔のお地蔵さんもいます。先日紹介した出世地蔵のすぐ近く、太秦と梅津の間あたりにあったお地蔵さんは、髪の毛の塗り方のせいか、どことなく女性的で、近所の世話好きなおばちゃんのようです。髪型だけでなく、目の離れ方、眉毛の濃さとカーブなど非常にバランスのとれたおばちゃん顔ですね。余談になりますが、このお地蔵さんを訪れたのは去年の夏でした。水路のすぐ脇にあったので、非常に蚊が多くて珍しく何カ所も刺されたことを思い出しました。


2013年8月31日土曜日

黒目がちなお地蔵さん

今日紹介するのは、JR桃山駅近くでみつけた物件です。簡素な地蔵堂の中に、顔の小さなお地蔵さんがいました。小さいながらも写実的な造形です。一般的にお地蔵さんのお顔は、絵本タッチあるいは漫画タッチともいえるような表情が主流だと思うのですが、このお地蔵さんは、黒目がちで、雛人形のような表情をしています。黒目がちというか、白目がありません。なんだかちょっと不気味ですね。


2013年8月30日金曜日

化野念仏寺の千灯供養


地蔵盆が行われた8月23日から24日の週末、嵐山の北にある化野念仏寺では、無縁仏を供養する千灯供養が行われていました。化野念仏寺周辺は、京都の町外れで、昔は疫病で亡くなった死体が野ざらしにされていたそうです。それらの無縁仏や水子の霊を弔うために、化野念仏寺には、たくさんの石仏が集められています。千灯供養の日には、境内にぎっしりと集まっている石仏のあいだに燭台が設けられ、参拝者は一本ずつろうそくを灯し、手を合わせます。


嵐山から、化野念仏寺の前を通って、愛宕山へとつづく愛宕街道には、地元の学生や中高生がつくった提灯が立ち並び、ふだんはほとんど真っ暗な田舎道が鮮やかに彩られていました。



地元のお寺では地蔵盆が行われていました。

お寺の入口には、子どもたちのサンダルがたくさん。



なかでも、風神・雷神を描いた大きな提灯は見事でした。この提灯は、街道の上を通る有料道路にロープを掛けて上から釣っていました。


2013年8月29日木曜日

太秦広隆寺の出世地蔵


自宅からわりと近い、太秦広隆寺駅周辺の物件を再訪しました。
車と嵐電が交差する、大変込み合った広隆寺前の交差点からちょっと南に降りた住宅街の一角に、たいへんりっぱな地蔵堂があります。外壁は石材が貼ってあってつやつや光っています。地蔵堂の中を見ると、内側の壁には元気に遊ぶ子どもたちの絵が描いてあります。お地蔵さんは3体ほど並んでいますが、みな、きりっと引き締まった表情で、髪の毛も描いてあります。ちょうどすぐ近くにある小学校の男子児童のように、元気いっぱいな様子が伝わってきますね。この出世地蔵のすぐとなりには、りっぱな古めかしい洋館が立っています。どうやらここは国の文化財に指定されて、現在はギャラリーとして使われているそうです。

石材の貼ってある、おおきな地蔵堂です。
通りをわたったところには、小学校があります。


2013年8月26日月曜日

色とりどりの六地蔵


天橋立に行ってきた友人から許可を得たので、今回は天橋立のお地蔵さんを紹介します。
これまでにこのページで紹介してきた、顔の描いてあるお地蔵さんとはちょっと様子が異なっています。顔だけでなく、髪の毛や衣装にも彩色が施されているのがわかります。これは非常に珍しいですね。気になって検索してみたところ、天橋立がある宮津市周辺には、顔を白く塗ってさらに背景や衣装にも思い思いの色をぬるという習慣があるようで、たくさん色鮮やかなお地蔵さんの写真が見つかりました。
ややもすると同じ形の地蔵が並んでるだけでつまらなく見えてしまう六地蔵も、このように色分けされていると、なにやら一体一体ごとに性格が異なっているのでは?と思えてきますね。
それにしても、お地蔵さんの髪の毛を描くというのは、これまでに考えたことがない発想でした。たしかに丸刈りじゃなきゃいけないってわけじゃないですよね。高校球児じゃないんだし。

2013年8月25日日曜日

白塗り地蔵と地蔵盆


城陽市に住む友人から地蔵盆の写真を送ってもらいました。
地蔵盆とは、8月23,24日ごろに行われる子供のためのお祭りです。ゲームや福引をしたり、お菓子をもらったり、子供が輪になって長い数珠を順番に回したりと、地域ごとにやることは少しずつ違うようですが、子供にとっては夏休み終わりの楽しみなイベントなのでしょう。
地蔵盆は、その名のとおり、お地蔵さんが祭壇に祀られます。場所によっては、この機会にお地蔵さんのお顔を新しく描きなおしたりすることもあるそうです。この写真のお地蔵さんは、顔だけでなく背景もぜんぶ真っ白で、おもしろいですね。普段は三枚目の写真にあるように、地蔵堂に収められています。質素なコンクリートブロックでも、白く塗られていると立派に見えますね。
背景までまっしろなお地蔵さん。シンプルなお顔も味があります。

地蔵盆の祭壇のようす。近所の人からさまざまなお供え物が寄せられます

ふだんはこのように、お寺の敷地内にある地蔵堂に収められています。

2013年8月23日金曜日

御土居と地蔵群


先日みつけた、北野天満宮裏側にある、地蔵群を紹介します。

数ヶ月前、嵐電の駅においてある、京都観光のPR誌「Kyo」の表紙に取り上げられているのを見て、これはぜひとも行かなければ!!!と大いに心惹かれていたお土居の地蔵群。先日京大まで自転車で行った帰りに、天満宮の裏側にある住宅街で、発見しました。雑誌に取り上げられた写真から、なにやら広々した場所のようだし、おそらく目立つところにあって、容易に見つかるだろうと予想していました。しかし、この地蔵群がある場所は、住宅密集地帯の真ん中でした。家々に囲まれた中に、唐突に芝生に覆われた御土居があり、きれいな花に囲まれてお地蔵さんが集まっていました。

北野天満宮の外側、紙屋川沿いに残っている御土居とは、豊臣秀吉が作らせた京都市内の守りを固める城壁です。南北に細長く、京都市内中心部を囲むようにつくられていましたが、現在はここのほか、ごく一部しか残されていません。北野天満宮の敷地内に残っている御土居は、大変きれいに整備されていて、ちょうど今の季節には、木々が生い茂って暑さを遮ってくれるので、天満宮を見た後に一休みする場所としておすすめです。

2013年8月7日水曜日

嵐山駅ふれ愛地蔵


このブログではなるべく人の思いのこもったお地蔵さんを紹介することにしています。だから、今日とりあげる、「ふれ愛地蔵」のように、最近作られたばかりのとってつけたようなお地蔵さんは、本来対象外です。しかし、駅の片隅で、とくに誰からも注目されることもなく、当然写真をとられることも無さそうなこのお地蔵さんには、たしかに地蔵としてのあるべき姿のようなものが見えるように思いました。誰からも顧みられることなく、ただそこにある。それがお地蔵さんなのですから。お地蔵さんのうしろには嵐電嵐山駅名物の足湯があります。猛暑の今ですが、こういう時期こそ足湯が気持ちいいです。

2013年7月26日金曜日

地味顔の地蔵


京大吉田キャンパス周辺は、細かい路地が入り組んだ、古くからの住宅地が残っているので、そこかしこに地蔵がいます。もうこの辺に通い始めて10年以上になりますが、いまだに未知の通りは多くあるし、当然まだ出会ったことのないお地蔵さんもいます。今日はたまたまバス停から歩きはじめたところに、初めて見る地蔵堂がありました。強い日差しの中で、お顔が見えにくかったのですが、じっくり見るとなにやら地味な顔です。しかし地味な中にも、強い意志が感じられます。いったいどんな人がどんな願いを込めてこのお顔を描いたのでしょう。



2013年7月24日水曜日

地蔵ブログ前史

以前撮った写真を見なおしていたら、かつての職場で作った、発表用のポスターのサンプルが出てきた。

2009年から、私は京都精華大学で初年次教育を担当していたけど、そのころに、一年生向けの学習プログラムの一環として、地図を使って京都について調べて発表するというものがあった。学生に何か調べさせて発表させる、というプログラムは、自分自身が学部時代は本を読む勉強しかしてこなかったので、正直なところどのように進めたらいいかよくわからなかった。そこで、自分だったらこういうことができるかな、と思って作ってみたのが、この「歩いてめぐる東山の石仏たち」というポスターだ。

このブログの最初にも紹介している、北白川の子安観音とか、金戒光明寺のアフロ石仏もとりあげている。この当時は、まだ顔の描いてある地蔵には興味を持っていなかった―なんか偽物っぽい感じがしたため―のだが、近所の魅力的な地蔵や石仏をめぐったりして、だいたい今とやっていることは同じだと気づく。

2013年7月17日水曜日

団地の中のお地蔵さん


京都の地蔵の魅力は、どこにでもあるということ。ふと道をあるいていると、そこにいる。何を主張するわけでもなく、佇んでいる。そんなお地蔵さんがいいのだ。

自宅最寄り駅から、行きつけの床屋へ向かう途中、道路脇に気に入っている地蔵をみつけ、以前撮ったにもかかわらず、また写真を撮った。それから道路の反対側をみると、別の地蔵堂が目に入った。これまで団地があるということしか目に入らなかったが、団地の前にある児童公園のなかに、地蔵堂があったのだ。明るい芝生に囲まれ、遊具やベンチの間にある地蔵堂。団地の住人のみなさんも、このお地蔵さんをとても大事にしているのだろう。






そして、地蔵堂の近くには、雨水を汲み上げるポンプがあった。これは何に使うのかわからないが、古いものを大切にしているということなのだろう。

2013年7月7日日曜日

タイル張りの地蔵堂

今日紹介するのは、先日の後光がすごい吉田牛ノ宮町のお地蔵さんから程近い場所にあるお地蔵さんです。この物件は、民家のガレージに設けられたくぼみを地蔵堂としています。民家の敷地内に地蔵堂、というのはときどき見かけますが、民家の建物と一体化しているのは、けっこう珍しいのではないでしょうか。特にこの物件は、ふつうの木造の地蔵堂と違って、ガレージのくぼみにタイルが張ってあり、そこにお地蔵さんがいます。こうして写真を見ると、なんだかお風呂場のようです。これから一緒にお風呂にはいるおじいちゃんとお孫さんのようですね。

現地の様子。写真がないので、ストリートビューより。
本当に民家のガレージ脇にくぼみが設けられている。

2013年7月4日木曜日

聚楽廻中町、後光と濃い顔のお地蔵さん


後光が特徴的な物件といえば、前回紹介した吉田牛ノ宮町のお地蔵さんが有名です。(他のブログでも写真を見ることがあります)しかし、ほかにも後光がすばらしい物件はあります。JR嵯峨野線沿いには、かつてこの路線が地面を走っていた頃の道が残っています。現在は道路や駐車場として使われていますが、嵯峨野線沿いの道には、古い住宅街が残っていて、とうぜんお地蔵さんもたくさんあります。そんななかで、二条駅付近で見つけたのがこのお地蔵さんです。
こちらも後光が黄色くギラッと差しています。さらにこのお地蔵さんが特徴的なのは、その表情。濃い顔と黄色くくっきりした後光とが合わさって、まるで現代アートのようですね。
ちょっと斜めに傾けた首、そして余計な線を一切省いた顔。素晴らしい物件です。

線路沿いの駐車場の片隅に、コンパクトな地蔵堂が残っていました。

2013年7月3日水曜日

後光がすごい!吉田のお地蔵さん


お地蔵さんの後ろには、後光がさしています。
お寺や博物館にある菩薩像などにもついていますね。
京都の色付きのお地蔵さんの場合、この後光が派手な色で着色されていて、それもそれぞれのお地蔵さんの個性や魅力を際立たせています。私の地蔵写真コレクションにも、いくつか素晴らしい後光を背負った物件があります。なかでも見事なのが、京大吉田キャンパスから程近い、東一条と万里小路通の交差点を北上したところにあるこのお地蔵さん。
素朴な、どこにでもいる中学生のような表情ですが、この後光。そして後光によって強調された輪郭線。本当はとんでもない実力を備えているのかも、と思わせます。人通りの多い交差点にある、このお地蔵さんには、いつもお供えがたくさんあります。お花やお茶だけでなく、カボチャやフルグラも見えますね。

2013年7月2日火曜日

妙心寺裏の5人組


今日紹介するのは、地蔵群。
本当はどういったらいいのかわかりませんが、
自分のなかで、3体以上の地蔵は地蔵群と呼んでいます。

小さな地蔵堂に、ぎっしりと地蔵群が立ち並んでいる様子は
小動物の家族のようにかわいらしいものです。

妙心寺裏で出会った彼らも、そういった魅力的な地蔵群の
ひとつです。白い顔に、丸刈りっぽい髪型、そしてくっきりした目。
ややうつろな表情ですが、仲良し男子中学生グループが、
部活の後に集まってだべっているようにも見えます。

2013年7月1日月曜日

嵯峨野の油掛地蔵


嵯峨野に油掛地蔵とよばれるお地蔵さんがあります。
ここもお気に入りの地蔵です。
右京区に住み始める以前から、数回訪れたことがあり、じつはこのお地蔵さんは、
太秦に住もうと決めたきっかけの一つでもあります。

由来はよくわかりませんが、昔からこの場所を通る油屋さんが
柄杓で油をかけていたそうです。
このへんは農地なので、もしかしたら
油をかけることが農業的な意味をもっていたのではないか、
とも思いますが、資料がなくて実証できていません。

お地蔵さんの横には、集会所があり、催し物のさいに、近隣の人が集まったり、
地蔵の向かいの休憩スペースには、中学生からお年寄りまで、いつもだれかがいます。

みんなから愛されている油掛地蔵は、その名の通りいつも油まみれでぎとぎとです。
地蔵はくろぐろとした油に覆われ、地蔵堂ぜんたいが、ラーメン屋のダクト
のように、黒く汚れた油だらけになっています。
地蔵にかけられる油は、近所の人が持ち寄る廃油らしく、近くにストックされています。
こんなに油まみれだと、火災が心配ですが、当然のことながら集会所の前の
目立つところに消火器が用意されていました。これでいつも油まみれでも安心です。

2013年6月30日日曜日

帷子ノ辻のふんわり地蔵

自宅近所にも魅力的なお地蔵さんはたくさんあります。
帷子ノ辻駅の前を通る三条通は、市内中心部と嵐山を結ぶ通りなので、いつも交通量が多いのですが、沿道には古い町並みと、昔からあるお地蔵さんが多数残っています。
帷子ノ辻で見つけたこのお地蔵さんは、赤い前掛けとふんわりした綿帽子を身に着けています。赤と白の色使いがなにやらサンタのようですね。
ちいさなお顔は笑っているように見えます