2013年7月26日金曜日

地味顔の地蔵


京大吉田キャンパス周辺は、細かい路地が入り組んだ、古くからの住宅地が残っているので、そこかしこに地蔵がいます。もうこの辺に通い始めて10年以上になりますが、いまだに未知の通りは多くあるし、当然まだ出会ったことのないお地蔵さんもいます。今日はたまたまバス停から歩きはじめたところに、初めて見る地蔵堂がありました。強い日差しの中で、お顔が見えにくかったのですが、じっくり見るとなにやら地味な顔です。しかし地味な中にも、強い意志が感じられます。いったいどんな人がどんな願いを込めてこのお顔を描いたのでしょう。



2013年7月24日水曜日

地蔵ブログ前史

以前撮った写真を見なおしていたら、かつての職場で作った、発表用のポスターのサンプルが出てきた。

2009年から、私は京都精華大学で初年次教育を担当していたけど、そのころに、一年生向けの学習プログラムの一環として、地図を使って京都について調べて発表するというものがあった。学生に何か調べさせて発表させる、というプログラムは、自分自身が学部時代は本を読む勉強しかしてこなかったので、正直なところどのように進めたらいいかよくわからなかった。そこで、自分だったらこういうことができるかな、と思って作ってみたのが、この「歩いてめぐる東山の石仏たち」というポスターだ。

このブログの最初にも紹介している、北白川の子安観音とか、金戒光明寺のアフロ石仏もとりあげている。この当時は、まだ顔の描いてある地蔵には興味を持っていなかった―なんか偽物っぽい感じがしたため―のだが、近所の魅力的な地蔵や石仏をめぐったりして、だいたい今とやっていることは同じだと気づく。

2013年7月17日水曜日

団地の中のお地蔵さん


京都の地蔵の魅力は、どこにでもあるということ。ふと道をあるいていると、そこにいる。何を主張するわけでもなく、佇んでいる。そんなお地蔵さんがいいのだ。

自宅最寄り駅から、行きつけの床屋へ向かう途中、道路脇に気に入っている地蔵をみつけ、以前撮ったにもかかわらず、また写真を撮った。それから道路の反対側をみると、別の地蔵堂が目に入った。これまで団地があるということしか目に入らなかったが、団地の前にある児童公園のなかに、地蔵堂があったのだ。明るい芝生に囲まれ、遊具やベンチの間にある地蔵堂。団地の住人のみなさんも、このお地蔵さんをとても大事にしているのだろう。






そして、地蔵堂の近くには、雨水を汲み上げるポンプがあった。これは何に使うのかわからないが、古いものを大切にしているということなのだろう。

2013年7月7日日曜日

タイル張りの地蔵堂

今日紹介するのは、先日の後光がすごい吉田牛ノ宮町のお地蔵さんから程近い場所にあるお地蔵さんです。この物件は、民家のガレージに設けられたくぼみを地蔵堂としています。民家の敷地内に地蔵堂、というのはときどき見かけますが、民家の建物と一体化しているのは、けっこう珍しいのではないでしょうか。特にこの物件は、ふつうの木造の地蔵堂と違って、ガレージのくぼみにタイルが張ってあり、そこにお地蔵さんがいます。こうして写真を見ると、なんだかお風呂場のようです。これから一緒にお風呂にはいるおじいちゃんとお孫さんのようですね。

現地の様子。写真がないので、ストリートビューより。
本当に民家のガレージ脇にくぼみが設けられている。

2013年7月4日木曜日

聚楽廻中町、後光と濃い顔のお地蔵さん


後光が特徴的な物件といえば、前回紹介した吉田牛ノ宮町のお地蔵さんが有名です。(他のブログでも写真を見ることがあります)しかし、ほかにも後光がすばらしい物件はあります。JR嵯峨野線沿いには、かつてこの路線が地面を走っていた頃の道が残っています。現在は道路や駐車場として使われていますが、嵯峨野線沿いの道には、古い住宅街が残っていて、とうぜんお地蔵さんもたくさんあります。そんななかで、二条駅付近で見つけたのがこのお地蔵さんです。
こちらも後光が黄色くギラッと差しています。さらにこのお地蔵さんが特徴的なのは、その表情。濃い顔と黄色くくっきりした後光とが合わさって、まるで現代アートのようですね。
ちょっと斜めに傾けた首、そして余計な線を一切省いた顔。素晴らしい物件です。

線路沿いの駐車場の片隅に、コンパクトな地蔵堂が残っていました。

2013年7月3日水曜日

後光がすごい!吉田のお地蔵さん


お地蔵さんの後ろには、後光がさしています。
お寺や博物館にある菩薩像などにもついていますね。
京都の色付きのお地蔵さんの場合、この後光が派手な色で着色されていて、それもそれぞれのお地蔵さんの個性や魅力を際立たせています。私の地蔵写真コレクションにも、いくつか素晴らしい後光を背負った物件があります。なかでも見事なのが、京大吉田キャンパスから程近い、東一条と万里小路通の交差点を北上したところにあるこのお地蔵さん。
素朴な、どこにでもいる中学生のような表情ですが、この後光。そして後光によって強調された輪郭線。本当はとんでもない実力を備えているのかも、と思わせます。人通りの多い交差点にある、このお地蔵さんには、いつもお供えがたくさんあります。お花やお茶だけでなく、カボチャやフルグラも見えますね。

2013年7月2日火曜日

妙心寺裏の5人組


今日紹介するのは、地蔵群。
本当はどういったらいいのかわかりませんが、
自分のなかで、3体以上の地蔵は地蔵群と呼んでいます。

小さな地蔵堂に、ぎっしりと地蔵群が立ち並んでいる様子は
小動物の家族のようにかわいらしいものです。

妙心寺裏で出会った彼らも、そういった魅力的な地蔵群の
ひとつです。白い顔に、丸刈りっぽい髪型、そしてくっきりした目。
ややうつろな表情ですが、仲良し男子中学生グループが、
部活の後に集まってだべっているようにも見えます。

2013年7月1日月曜日

嵯峨野の油掛地蔵


嵯峨野に油掛地蔵とよばれるお地蔵さんがあります。
ここもお気に入りの地蔵です。
右京区に住み始める以前から、数回訪れたことがあり、じつはこのお地蔵さんは、
太秦に住もうと決めたきっかけの一つでもあります。

由来はよくわかりませんが、昔からこの場所を通る油屋さんが
柄杓で油をかけていたそうです。
このへんは農地なので、もしかしたら
油をかけることが農業的な意味をもっていたのではないか、
とも思いますが、資料がなくて実証できていません。

お地蔵さんの横には、集会所があり、催し物のさいに、近隣の人が集まったり、
地蔵の向かいの休憩スペースには、中学生からお年寄りまで、いつもだれかがいます。

みんなから愛されている油掛地蔵は、その名の通りいつも油まみれでぎとぎとです。
地蔵はくろぐろとした油に覆われ、地蔵堂ぜんたいが、ラーメン屋のダクト
のように、黒く汚れた油だらけになっています。
地蔵にかけられる油は、近所の人が持ち寄る廃油らしく、近くにストックされています。
こんなに油まみれだと、火災が心配ですが、当然のことながら集会所の前の
目立つところに消火器が用意されていました。これでいつも油まみれでも安心です。